以前キャリコネニュースさんで連載させて頂いていたものです。
著作権は私のところにあるので、こちらにも掲載させて頂きます♪
元のサイト→http://careerconnection.jp/biz/hotel/content_1686.html
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ホテルには、電話やウェブサイト、メールなど様々なところから予約が入ってきます。予約を受ける瞬間は、お客様とホテルスタッフが初めて接触する、とても大切な瞬間です。
電話予約の場合、「お電話ありがとうございます。○○ホテルのユズモトがお伺い致します。○○様1名、禁煙シングルのお部屋でございますね…」という風に、必要事項を伺いながらメモをとっていきます。
ウェブサイトからの予約の場合は、ホテル側にお客様の情報が流れてくるので、それをプリントアウトします。そして、メモなどとともに、ホテル独自の予約管理システムに情報を打ち込み、予約データを完成させるのです。
このホテル独自の予約管理システムというのが、とても優れもので。「○月○日に○○様という方が宿泊します」という情報を管理するだけでなく、そこからその日のホテル全体の宿泊者数、空き部屋の数なんかも割り出してくれちゃうんです。
他にも、名前や電話番号などの基本データを打ち込むだけで、その人が何回目のご宿泊なのか、前回のご宿泊はいつなのか、といった情報や、「だいたい夜中1時ごろチェックインされるので、なかなか来なくても無断キャンセルだと思わないように!」なんていうお役立ち情報まで引き出せちゃいます。
このお役立ち情報は、予約入力時の「備考欄」に打ち込んであることが多いのですが、これがなかなかバラエティーに富んでいて面白いのです。
「お部屋着はSサイズご希望」「カップル記念日旅行だそうです。景色がきれいなお部屋ご希望」といった連絡事項もあれば、「声がステキな方です!!お会いするのが楽しみ」なんていう、ただの感想やん!と突っ込みたくなる書き込みも、ちょこちょこあったりして。
まあ、私自身も、愛想がいいイケメンで、ものすごく大好きな常連さんの予約通知が入ってきたときなんかは、テンションの上昇を抑えきれず、
「とっても素敵な常連の方。挨拶をしたいので、チェックインの際にはユズモトを呼んでください」“
とか書き込んじゃうタイプなので、気持ちは分かるんですけどね。
さて、そんな楽しい予約業務ですが、電話で基本情報を聞き忘れたり間違えたりしてしまうと、後々大変なことになってしまうことも。入社まもない頃、こんな事がありました。木野様というお客様から、ご予約の電話を頂いたときのことです。
「木曜日にシングル一室、お願いします。木野太郎(仮名)です」
「千野様でいらっしゃいますね。ご予約、承りました」“
そして、木野様のご宿泊当日。「予約していた木野です」といらっしゃったお客様を、すぐにチェックインして差し上げようと思い、予約者一覧から名前を検索するも、ない。もしかして予約の入力漏れ?
どうしよう…。私の顔は青ざめました。すると一連のやり取りを隣で見ていた上司が、「予約一覧のタ行のとこ見てみ」と一言。そこには「チノ タロウ」の文字が!!
どうやら私は"キ"と"チ"を聞き間違えて、予約を入力してしまったようです。経験の浅い私は「名前の聞き間違いかも?」というところまで考えが及ばなかったのですが、さすが上司、頼りになるなあ…と思ったものです。
予約業務において、備考欄に色々な情報を書き込むのも大切ですが、名前等の基本情報を間違えずしっかり聞き取り・入力することはもっと大切だと学んだ失敗体験でした。