【コラム】ホテルの料金は若手社員が決めている!? 「売れる日は高く。売れない日は…」


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以前キャリコネニュースさんで連載させて頂いていたものです。
著作権は私のところにあるので、こちらにも掲載させて頂きます♪

元のサイト→http://careerconnection.jp/biz/hotel/content_1707.html

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お客様がホテル選びをする際に注目するポイントは、立地や設備など色々あるかとは思いますが、やはり一番は「宿泊料金」ではないでしょうか。そこで今回は、ホテルの料金がどのように決まっているかについてお教えしようと思います。

基本的にはどこのホテルでも同じだと思いますが、ウチは「売れる日は高く!」をモットーに料金設定を行っていました。平日は1泊6500円なのに、金土日は同じ部屋が9500円に跳ね上がることも。それでも週末は部屋が埋まるからです。

他にも、例えば7月某日に近所でSM○Pのライブがあるという情報が入ると、

「きっと遠方から、ジャ○ーズファンの予約が殺到するだろうな…」

と考え、料金を高めに設定しておきます。いわゆる「需要と供給の関係」というやつですね。平日なのに料金がやたら高いときは、近くに誰か有名な人が来ているのかもしれません(もしくは、お医者さんの大規模な学会とかの場合も)。

ちなみに、その日の予約状況を見ながら、予約担当が臨機応変に料金を変えることもあります。「お、今日は予想外に売れるなあ!」というときには、「6500円を7500円にしちゃえ!」と料金を吊り上げるのです。ホテルも利益追求しなくちゃ、ですからね。

一方で、「今日は思ったより売れないなあ…」という日は、おとなしく引き下げることもあります。ただし下げる方は、実はあまりやりません。高めの料金で予約してくださったお客様が「事前に予約したのに損をするなんてアホらしい」と、嫌な気持ちになってしまうかも知れないので…。

と、ここまで読んでいて「若手が自分の判断で料金設定なんかできるの?」と思った方もいるかも知れません。でも、それができるのです。ウチは「若手にどんどん仕事を任せろ!」という社風だったので、私は入社3か月目で上司から引き継ぎました。最初は要領が分からず、

「何でこんな料金設定をしたんだ!?」

と怒られてばかりでしたが、次第にコツをつかむにつれ、この仕事がどんどん面白くなっていきました。

自分が「売れる!」と思い高めの料金を設定した部屋が完売した時なんかには、一人でにやけてしまうこともありました。その喜びは、なんというか「上がる!」と思って買った株が、思い通りに上がった時の喜びと似ているかも知れません。

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さて、そんな風に設定されている宿泊料金ですが、「電話で問い合わせたら1泊7500円と言われたけど、楽○トラベルでは7000円と表示されている!」という経験をしたことはないでしょうか?

うちのホテルでも、料金に少し差をつけて販売することがありました。ネットと電話で料金が違う――具体的にいうと、ネットの方が安く設定されている――ことがあるのはなぜなのか。私の知る限りでは、以下のような理由が考えられます。

・楽○トラベルの営業さんに「今月はウチ経由でいっぱい部屋を販売して下さいね」と言われたから(楽○さんの営業強化月間か何かだと思われます)
・本社から「ウェブ経由での販売室数を増やせ」との通達が来たから(自社のネット販売強化月間)
・宿泊予約サイトで、他の競合ホテルより上に表示されるようにしたいから(安さ重視でホテルを検索した際に一番上に表示されるようになる)“

どれもそれなりの理由があり、ただ何となく料金に差をつけている訳ではないのです。ホテルは小売店のように原価が変動するモノを売っているわけではないのですが、料金によって部屋の埋まり方や儲かり方が大きく変わります。だからこそ本当に、この仕事は面白いのです。

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